動物学的なヒト=人ではありません。人間性を備えた人になるためには、感性の習得が不可欠です。
仏道に無財七施という教えがあります。一般に布施とは、お金や物を与えることですが、仏教では親切のことを布施と言うそうです。お金や物がない人にもできる布施が無財七施です。つまり、無財七施とは、お金や物がなくてもできる七つの親切という意味です。
では、七施について、もう少し説明しましょう。先ず眼施(がんせ)、これは、優しいまなざしで人に接することです。次に、和顔施(わがんせ)、優しい顔で人に接すること。さらに、言辞施(ごんじせ)、優しい言葉で人に接すること。さらに、 身施(しんせ)、これは捨身施(しゃしんせ)とも言い、体を使って謙虚な気持ちで無料奉仕をすることです。また、心施(しんせ)、ありがとうの真心で人に接すること。それに、場所や席をゆずる床座施(しょうざせ)、訪ねてくる人があれば雨露をしのぎ疲れを癒す安息の場を提供する房舎施(ぼうしゃせ)の七つです。このような利他心である感性の育成は、時代を超えて習得しなくてはならない教えだと思います。
〜創設にあたって〜
〜釈迦と菩薩〜
〜眼に見えないものの科学〜
〜科学と宗教(無と空と無限)〜